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「離陸」

絲山 秋子
文藝春秋
¥ 1,890
(2014-09-11)

新聞各紙の書評で絶賛されていたので、期待を持って読みましたが、やはり良かったです。
絲山さんの小説はほぼ読んでいますが、今までの代表作となっていると思います。
文体の完成度、物語が読み手を運んでいく感覚、物語のスケールも、今までの作品にくらべるとずいぶんと壮大になっていて、すごいなあと思いました。

不思議な小説です。ダム建設を担当するエリート官僚の24歳の主人公のもとに、フランス籍の黒人の男がやってきます。そして主人公が昔付き合っていた女性の消息を探しているので、いっしょに彼女の消えた謎を解いてほしいと要請されます。書籍に残された暗号を解いていくうちに、主人公もまた何かに流されるように、人生に翻弄されていきます。

主人公が24歳から39歳の物語です。
15年のうちに彼の大事な人たちがたくさん死に、舞台も利根川の山中、パリ、熊本県八代市、佐賀県唐津市と流れていきます。
ミステリーでもあり、村上春樹の『羊をめぐる冒険』のような、人生の謎を解く旅の物語でもあり、ファンタジーでもあり、群像劇でもある。いったいどういう小説なのか、「離陸」した物語が、いったいどういうところに着陸するのか…。
あまりに序盤の出来が素晴らしいため、最後の諦念したような静かな終わり方にやや物足りない気持ちも感じましたが、それでもとても良い小説でした。何か大きい賞を獲るのではないかな、、、と期待しています。

中盤で主人公が国交省の熊本県八代支部に配属され、地元の商店街で飲み歩いたり、熊本市の輸入食品店(鶴屋ラン・マルシェと思われる)や、シャワー通りで買い物をしたりするシーンがあり、熊本に住む身の私はとても楽しく読みました。
絲山さんの小説は、九州がよく出てくるので、大好きです。
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