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「袋小路の男」

絲山 秋子
講談社
¥ 1,365
(2004-10-28)

高校生のときに出会ったひとつ上の先輩に恋をしてしまい、
つかずはなれずの関係がもう12年。一途に一人の男を思い続ける主人公。
他の男と付き合っても、結局それは「浮気」で、心は結局いつも彼のもとにある。

主人公の好きな男は、正直かなりダメだと思います。小説家崩れで、かっこつけでやきもち焼きなのですが、どこかかわいいところが、ますますだめです(必死)
「あいつはやめといたがええ」友達ならそう止めたくなります。
しかし、どんなにいいかげんな男でも、自分にとってはすべての意味がある、そう思い込んでしまえる恋のおそろしさと、それに縛り続けられる煉獄の苦しみと幸せ。
主人公と、片想いの先輩は12年もいっしょにいて、一度も手も触れたこともないのですが、そのつかず離れずの関係が、苦しくもあり、でも幸せなのでしょう。本人にとっては。

「ハチミツとクローバー」の山田さんじゃないですが、あんまり長いこと同じ人に片想いしていると、それがもう癖になってしまうというか、その人に片想いしていること自体が自分の世界の中心みたいになって、ぐるぐるまわってしまう。
そういうむくわれない片想いをした経験があるすべての人に、おすすめの小説です。
収録二編目の「小田切孝の言い分」は、そんな片想いを少し離れた距離から描いてあって、ああ傍から見たらこういうものかもしれないなあと思ったりしました。読むたびにちょっと切ないです。
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