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「こちらあみ子」

今村 夏子
筑摩書房
¥ 1,470
(2011-01-10)

才能がある人というものはいるもんだ。
これがこの小説の感想だ。
文章もうまい、会話のセリフもうまい、ストーリーテリングもうまい。

あみ子という、世間からずれてしまった娘の物語だ。
あみ子は、空気がよめない。
あっ、それは言ったらまずい…というようなことを、まっすぐに口に出してしまう。
まわりの人々は、あみ子をうとましく思ったり、手を焼いたり、
おもしろがったり、あきらめたりしている。

いろいろと考えさせられる。
私たちはあみ子を嫌がったり笑っているけれど、
本当に世界に馴染めていないのは、あみ子なのか、私たちなのか。
誰も皆、あみ子のようなところはあるのではないか。
あみ子は、もしかしたら私自身ではないのか。
柔らかく、しかし凄みのある小説だった。

作者の今村夏子さんは、これがデビュー作だそうだ。
豊崎由美、町田康なども絶賛しているようだ。
この人がこの文章でこれからいったい何を書くのか、ぜひ長編を読んでみたい。
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