cafe mizutama

小説と音楽と日々

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | - | -
<< 「雪の練習生」 | 「12ヶ月のクロゼット」 >>

「抱擁、あるいはライスには塩を」


わたしは、「家族」がモチーフの小説が好きで、本の最初のページに、
家系図や、家族構成の紹介がのっているような小説に出会うと、嬉しくなります。
この小説も、三代にわたるある家族の物語です。
たいへん面白かったです。

柳島家は風変わりな家庭で、大きなお屋敷に大家族で住んでいます。
ロシア人の祖母、商社を興した祖父、そしてその子どもたち、孫たち・・・。
なぜか四人の孫のうち一人は父親が異なり、さらに一人は母親が異なります。
浮世離れした生活を送る家族は、仲が良く、一見幸福そのもののように見えます。

この小説は1960年から2006年までの記録です。
それぞれの家族が、またはこの一家に関わった人々が、それぞれの見た柳島家を語ります。
時代、場所、語り手をかえて物語がすすむうちに、隠れていた過去や秘密が
語り手の視点を通して多様な形で垣間見えてきます。
(特に後半の祖母の語りにはぎょっとします・笑)
家族って、ひとりひとりがそれぞれの人生や過去を抱えているんですよね。当たり前ですが。


江國さんの小説はわたしの少女時代の憧れでした。
うっとりするような繊細な描写は、久しぶりに読んでもまったく変わっていません。
人物の造形もみごとで、いい小説だったなあ・・・と思いました。
アマゾンなどの書評も見てみましたが、「江國さんの最高傑作」という声も高いようです。
作品全部読んでいるわけではないですが、わたしも異論はないです。

日本の小説 | comments(0) | -

スポンサーサイト

- | - | -

COMMENTS

COMMENT FORM