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「ミュージック・ブレス・ユー!!」

津村 記久子
角川グループパブリッシング
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(2008-07-01)
タイトルと、カンバラクニエのかわいいジャケットが気になり、
新聞書評でも面白そうだったので読んでみました。
すごく良かったです。青春&音楽小説でした。
まわりの音楽好きにすすめてまわりたい本でした。


アザミはいけてない高校生で、他人との距離がうまくつかめない。でも耳にはいつもヘッドホン。音楽が常にアザミを救ってくれる。
「あたしには将来のことなんて考えられへん。
というより自分のことを考えられへん。そんなことを考えるくらいやったら、好きなバンドのことを考えてると思う」

そんなアザミの高校3年の夏から、卒業式までを描く。

音楽に憧れと救済を信じた、高校生くらいの自分の人生と重なる部分も多く、うなずきながら読んだ。
たとえば、なんか人生の調子が悪いなぁと感じてるときに、CD屋に行っても欲しいものがまったく見つからないときがある。アザミはそれでやっと「ああ自分はほんとに調子が悪いんやな」と気づく。
アザミは、その日聞いた曲のリスト作って感想を書くのが一日の楽しみで、エクセルにそのデータを全部保管して毎日眺めている。
いずれも、似たようなことをしていたな、と私も思う。まあ、今もだけど。


音楽がそこにあるとは、どういう意味なんだろう、とアザミは思う。
「もっとはっきり言う事言えば?察してもらおうなんて、やめたほうがいいんちゃう」
と、告白しようとした親友を手ひどく振った男。
会ったとたん「中学生男子みたいなの聞いてるね」と、アザミを見下し、バンド加入を門前払いする大学生。
アザミは彼らに怒りをぶつけることができない。ただ、無責任に自分や友達を傷つける人たちのことが、わだかまりになって心に残る。その行き場のない心には、どうしても音楽が必要なのだ。音楽があれば、ずいぶん救われる。


「車窓の向こうに世界が見えた。畏れが胸を通り過ぎて息をのんだが、やがて頭の中で鳴っている音楽がそれをさらっていった。」(p.218)


日本の小説 | comments(2) | trackbacks(1)

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COMMENTS

Posted by らい  at 2008/09/07 12:37 AM
ああー、なんか豊島ミホの「檸檬の頃」を思いだす感じですね。
面白いんだけど、身に覚えがありすぎるので時々痛くて直視できなくなるというか、何だかむずむずするというか…(笑)
こういう"友達や恋人には話したことが無いけど、ずっと胸のまんなかにあるもの"を表現してくれる作品に出会えるとほっとした気持ちになりますよね。

それにしても、アマゾンで「お取り扱いできません」になってるのは何でなんでしょうね…。
単純に在庫切れなのかな??
Posted by zakki  at 2008/09/08 8:06 PM
ほんとだ!売り切れなのかな??

読んでると、なんか高校生の頃とかの自分のいけてなさ(笑)を思い出しました。でもそれがまっすぐでよかったんだなぁ、と思えましたよ。読んでよかったよかった。
特に女の子でロック好きな人にはおススメです。らいさんも是非ぜひ★

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笑う社会人の生活  at 2015/11/03 5:17 PM
女子高生の日常のドラマと、
小説「ミュージック・ブレス・ユー!!」を読みました。 著者は 津村 記久子 さて けっこう読んでいる津村作品 なんかハマるのとハマらないのがあるので、本作はどうかと・・・ う〜ん、悪くはなかったけど、そこまで突き刺さらなかったかな 音楽が生きがいの高校生ア
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