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小説と音楽と日々

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「舟を編む」(映画)

映画「舟を編む」(2013年・日本)をレンタルで観ました。

ある出版社で、15年計画で新しい辞書を作るプロジェクトが立ち上がります。
その編さんに抜擢されたのが主人公の馬締(松田龍平)。人とコミュニケーションをとるのが苦手な彼は、営業部では、仕事の出来ない厄介者扱いされていましたが、本や言葉への知識が深く、辞書作りではその才能を発揮して、たちまち編さん計画の中心人物に。そして彼自身も辞書編さんを自分の一生の仕事と明言するほど、没頭していきます。

辞書を作る、つまり、言葉を伝える人たちの映画です。
かなり感情移入して観ました。というのも、今私がしている仕事にかなり近かったからです。
辞書ではないですが、歴史文献を数年かけてやっと1冊刊行する予定です。古い資料に囲まれて、一日中文章ばかり書いて、誰ともしゃべらないで一日が終わることもあるような仕事です。私もまた主人公ほどはひどくない(と、思いたい)ですが、人と世間話するよりは、文章書いてたほうが気楽です。
辞書編さんは、出版社の花形部署とは程遠い仕事です。ただし、誰かがやらないといけない仕事だと思います。言葉や文化を「伝え残す」ための任務を負っているからです。少なくとも、主人公はそう強く感じて、自分の仕事に誇りを持っています。

プロジェクト立ち上げから完成まで15年。1993年に作り始め、完成は2008年。
社会の状況も大きく変わり、その間いろいろなことが起きます。編さん部のメンバーが異動になったり、計画自体が暗礁に乗り上げかかったり、私生活で家族が増えたり、誰かが亡くなったり。

編さんに携わったばかりの頃、20代なかばだった主人公も、辞書が完成する頃には40代になっています。
計画の最初から関わっている元気な契約社員のおばちゃんも、辞書完成披露の立食パーティーで、長く立ってるのがつらいほどには、15年でずいぶん年取っているんです。そういう細かい部分を丁寧に描いてあるところがとても良かったです。 長い時間をかけ、いろいろな人が関わって、やっと船出する新しい辞書を見送る人たちの心情が、とてもすがすがしく胸に残る映画でした。俳優さんたちも皆良かったです。

 
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「南極料理人」


「南極料理人」(2009年・日本)

最近夫が仕事帰りに映画を借りてくるので、それをいっしょに見ています。
夫の映画の趣味は、明るいです。暗い映画はツライらしい。
こちらの映画も夫の好みです。南極でおじさんたちがおいしそうにごはん食ってるほのぼの映画です。
私は人間が追い詰められたり突き落とされたりするひどい話が趣味なので、自分だったら南極基地が外部と断絶され、氷点下の基地内で残されたものたちが次第に心理的に壊れつつ裏切りあい、憎しみあっていく…みたいな映画を借りてきそうです。

しかし、このほのぼの映画、とても面白かったです。南極調査隊なので、状況は過酷なはずなのですが、本当にゆるくておかしい。南極に滞在する間、最大の事件はおじさん(調査隊員)のひとりがバターを盗み食いすることでした(笑)キャストも全員のんきな感じで、小ネタも多彩で、ずっと笑いっぱなしで見てました。南極調査隊のおじさんたちが、月日がたつにつれきたならしくなっていくのが素敵です。
主人公(堺雅人)が作る南極基地の食事がとてもおいしそうなので、見ている間はとてもお腹がすきます。お菓子を用意して見て下さいね。


 
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「桐島、部活やめるってよ」


「桐島、部活やめるってよ」(2012年・日本)

最近見た映画の中でとても面白かった映画です。
すごくよく出来ていました。
原作も読んでいるのですが、うまーく映像化してあって感心しました。

バレー部では県選抜、つきあってる彼女は学年一の美人、スーパースター高校生の桐島くんという少年がどうもバレー部をやめるらしい。そのことで直接的に、もしくは間接的に影響を受けるクラスメイトや部活の仲間たちの群像劇です。
桐島の親友で野球部の幽霊部員、そしてその親友に片想いする吹奏楽部の少女、桐島の補欠になっているバレー部員、桐島の彼女とその取り巻きグループ女子、学校ではかなりいけてない映画部員の少年。彼ら、彼女らの心の波紋が描かれます。面白いのは、肝心の部活やめる桐島くんが一度も登場しないまま話が終わることで、なかなかうまい作りです。

映画の圧巻は登場人物がすべて揃うラストシーンにかけてです。映画部のいけてない少年(映画では神木隆之介くんが演じてます)と、クラスメイトの会話が、とても良かったです。
今の高校生って私たちの高校時代よりもっと過酷な感じで大変そうでもありますが、学校の中での地位や居場所なんかじゃなく、自分の人生のもっとずっと先を夢見ている若者もいて、それはとても美しくてかっこいいことだと思いました。見ている間、あっというまの100分で、たいへん満足でした。
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「ウォールフラワー」


「ウォールフラワー」(米/2012年)

お正月、映画を観にいきました。
どうしても観たい映画でした。
なぜならサントラの選曲があまりにも自分の趣味に近かったので…。
The Smiths、ギャラクシー500、New Order、XTC、ソニック・ユース…。

内容は胸が痛くなるような青春映画でした。スクールカースト最底辺に位置づけられたさえない主人公が、大事な仲間を見つけ、少しずつ変わっていく、という物語です。今まで知らなかった世界に飛び込んでいく主人公の姿に共感を覚えました。もうずいぶん遠くになってはしまったけれど、私にも確かにこういう宝物のような瞬間があったので。
主人公には文才があり、それを目にかけてくれる国語の先生がいるのですが、その先生や、主人公の兄など大人の目線が良かったです。若いってただそれだけできついこともたくさんあるけれど「がんばれ、大人になるといいこともたくさんあるんだよ」と心の中で思いながら観ていました。

主人公の恋するショートヘアのエマ・ワトソン、ものすごくかわいくて魅力的でした。そしてエマの義兄でゲイ役のパトリックを演じるエズラ・ミラーが素敵で、ぐっときました。にっこり笑った顔がとてもいい。あんな人をほっとさせる笑顔ってあまり見たことないです。その兄妹二人がパーティーで踊るシーンがかわいくてよかったです。やっぱり音楽がいい映画って最高。映画館まで観にいってよかったです。

サントラはこちら↓
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「おおかみこどもの雨と雪」

最近わが家はブルーレイのプレーヤーを買いました。
DVDプレーヤーも持っていなかったのに、急に出世したような気持ちです。
非常に月並みな感想ですが、映像がとてもきれいでうれしいです。

そういうわけで、夫が借りてきた映画です。
「息子も見るかなと思って」とのことで、休日の夕方から家族そろって軽い気持ちで見始めたものの、最後は夫婦ではなをたらして号泣し、息子が「だいじょうぶ?おかあさん泣かないで…」と心配していました。

◇ ◇ ◇

主人公の女性が好きになったのは、「おおかみおとこ」だった…。
しかし彼女はそのことを受け入れ、おおかみおとこの子どもを産みます。
雪の日に生まれた姉「雪」と、雨の日に生まれた弟「雨」。しかし雨が生まれた直後、夫であるおおかみおとこは亡くなってしまいます。二人のおおかみこどもをひとりで育てることを決意した母は、都会を離れて自然の残る山奥に移り住みます…。

◇ ◇ ◇

私もいつのまにか母親になったんだなあと気づかされた映画でした。
いい大人になってもいまだ自分に自信がなく、子どもの心を大事にしてあげていられるのか、上手に伝えられているのか不安になることも常ですが、子どもが幸せにいてくれることをいつも願っています。

主人公である女性は、母親としてとても頑張りやさんで、残された子どものことを大切にして、懸命に生きています。そんなに愛していてもなお、主人公が子どもに言う「まだ何にもしてあげていないのに」という言葉には、非常にくるものがありました。見てよかったです。



「おおかみこどもの雨と雪」(2012年・日本)

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「歩いても歩いても」

年明けからしばらく入院していました。
その間にまとめてDVDを見たのですが、その中でいちばん良かった映画です。

是枝裕和監督・脚本作品。
隠居した老夫婦のもとに、息子と娘それぞれの一家が里帰りして集まります。
その一日を淡々と描くのですが、静かな映画ながら「家族の姿」をすごくうまく切り取って伝えています。
それぞれの家族の思いや感情のずれ、ふっとよみがえる昔の記憶…、時間を積み重ねてきた家族ならではの「ああ、あるよなあ」という感じがなんともいえない。

とりわけ母親役の樹木希林の演技が見事です。
従順な妻、よき母親と思われてきた彼女が時折見せる顔、言動に凄みがあります。
ラストあたりでレース編みをしながら語るシーンがあるのですが、とても迫力がありました。母親の持つ深い愛と怖さが抑えた演技ににじみ出ていてぞくぞくしました…。
映像も、子どもの頃の夏休みっぽくてノスタルジック。とても好きな映画でした。

ちなみに入院中見た映画で、いちばん入院におすすめ!な映画は
「運命じゃない人」でした。超おもしろかったです。病院で見るのは多少笑えるものがいいですね。「秒速5センチメートル」も見ましたが、見たあと死にたくなりました。

「歩いても歩いても」(2008年/日本)是枝裕和監督



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「モテキ」

パルコのCMのダンスが大変かわいかったですね。
原作もドラマも知らなかったのですが、
観にいってみて意外や意外、音楽好きのための映画でした。

ストーリーは、森山未來くん演じるいけてない主人公が
いきなりいろんな女の子から言い寄られる、というまあそんだけの話ですが(笑)、
使われている音楽が、フジファブリック、岡村靖幸、レイハラカミ、星野源、
くるり、フィッシュマンズ…とそんな感じです。
ももいろクローバーの動画が恋のテンションをあおったり、
perfumeが出てきて、恋にうかれる主人公といっしょに街の中を踊りだしたり、
(森山くんはダンスがとても上手で、このシーンはとてもかわいい!)
日本の音楽が好きな人なら、とても楽しめると思います。
前に観た「(500)日のサマー」という映画が、音楽ネタをかなり絡めた作品で、
それを思い出しました。いろいろ設定も似ているし。

森山くん演じる主人公には、30歳という設定のわりにちょっと子どもすぎて、
ストーリーにはいろいろ言いたいこともありますが、まあそのへんは置いといて、
長澤まさみのかわいらしさと、麻生久美子の清楚さを楽しみましょう。
リリー・フランキーが、主人公からふられて傷心の女の子をいただいちゃう
悪いおっさんを演じていますが、
主人公よりリリーのほうがよっぽど優しいよな、と思った自分に
年をとったな、と感じました。

いろんな音楽流れましたが、いちばんぐっときたのは
なんといっても岡村ちゃんの
「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」でした。
イントロだけでうきうき、青春って1,2,3ジャンプです。

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映画「ノルウェイの森」



「ノルウェイの森」映画見ました。

噂には聞いていましたが…たしかになかなか斬新なことになっていました(笑)
原作読んだことのない人は、ストーリーがわかったのだろうか・・・。

・松ケンがとても良かった。
しゃべり方が素敵で、浮世離れした村上春樹のセリフによく合っている。
途中で気づいたのだが、彼はボソボソ喋ると草野マサムネの声に似ている。萌えた。

・直子とワタナベの散歩シーン。まるで競歩のようだった。
小説では、健脚で歩くのが早い、という設定なのだが、いくらなんでも速すぎるだろう(笑)

・ちょっと変わった奇人、という設定の、寮の門番が高橋幸宏だった。

・バイト先のレコード店のファンキーな店長が、細野晴臣だった。

・レイコさんの唄う「ノルウェイの森」は、いささか明るすぎないか。

・ミドリ役の水原希子は、無機質でつるっとしていて、作り物みたいだった。
美しい人っているもんだ。
個人的には、ハツミさんがかわいかった。

・60年代の日本のインテリア、部屋、雑貨、ファッション、それから
大学や建物の再現が素晴らしかった!!もう本当に最高だった。
この時代の雰囲気が好きな私は、個人的にはこの点だけでも、本当に見て良かったと思った。
直子の部屋、療養所、大学闘争の真っ只中のキャンパス。写真集が欲しい。

・直子の部屋で誕生日を迎える場面が心に残った。
アパートの窓の外で雨がざんざん降っていて、二人が雨に閉じ込められているようで、
さみしくて美しかった。


以上が私の感想です。
いろいろツッコミながら観ていましたが、観終わってエンドロールにのって
「ノルウェーの森」が流れてくると、不思議と満足したのでした。




ミドリ、すごい格好で授業に出るものだ。

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「レネットとミラベル 四つの冒険」

何ヶ月か前に見に行った映画です。感想を書くのを忘れていました。

四つの短編映画から成るオムニバスです。
パリの都会娘ミラベルがバカンスで来ていた田舎で、同じ年頃の少女レネットと出会い、
いっしょに農場で一晩を過ごす第一話、「青の時間」から始まり、
レネットがパリに上京してきて、ルームメイトになってからのエピソードを描く
残り三篇が続きます。

パリ郊外に住む田舎娘レネットと、都会っ娘ミラベルの対比がかわいらしくて良いです。
レネットちゃんは良い意味でも悪い意味でもうざいので(笑)、
見てるときは「うへぇ〜友達になりたくね〜」と思ってましたが、
後々まで印象に残る強烈なキャラです。
それから16mmで撮った映像がやっぱり素敵です。
二人の着ている洋服とかインテリアが野暮ったくて、それがまたなかなかキュートです。

この映画、地元美術館の無料ロードショウでやってたのを見に行きました。
フランス乙女映画だし、まあせっかくなので、黒白ボーダーに赤カーディガンという
浮かれた格好で見に行きました。
しかし平日の昼間だったせいか、まわりの観客はみんな老人で・・・。
私のささやかなパリ・コスプレは徒労に終わりました。

帰りにカフェでひとりでお茶して、夕方五時のバスにゆられて帰りました。
レネットとミラベル 四つの冒険
「レネットとミラベル 四つの冒険」 (1987年/フランス)
監督:エリック・ロメール

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「(500)日のサマー」

映画館で観てきました。本当に面白かった!

ある日、トムは秘書として入社してきたサマーに一目惚れ。
トムは思いきり惚れっぽく、運命の恋を夢見るロマンティックな性格。
一方、サマーはきわめて現実的で、恋に恋する幻想などかけらも持っていない。
そ れでもふたりは好意を抱き合う。二人の500日の恋の行方はー…?

まず、サマー役のズーイー・デシャネルが可愛い。ほんと可愛い。
華奢な体、黒い髪に大きなブルーの瞳。
ファッションがまた素敵。サックスブルーのシャツワンピースに
ブルーのリボン付きのカチューシャ、アンティークレースの白のキャミソールに
青い蝶のヘアピン。可愛すぎる。

二人が仲良くなるきっかけもいい。好きな音楽が一緒なのだ。
エレベーターでトムが聴いていたipodから漏れてきた曲を聴いて、
「わたしもThe Smithsが好き」と、にっこり笑うサマー。よりによってスミス!
私もスミス大好きなので、こんなこと言われたら好きになってしまうね(笑)

気軽に付き合おう、というサマーの言葉によって始まった二人の恋。
紆余曲折しながらも、ハッピーな予感に満ちているように見えたが…。

■■■

(以後ややネタバレになります)

この映画は、結末が、切ないけれど本当に良かったです。
もっとロマンティック・コメディ風のラストを予想していたのですが、
ああこうなっちゃうのか、といい意味で裏切られました。
サマーを運命の人だと信じていたトムは、彼女の心が離れていく原因がわかりません。
「何が悪かったんだ?あんなにうまくいってたのに」
たぶんトムは悪くないです。もちろんサマーも。ただ相手が違っていただけで。
いくら好きでも、趣味が同じでも、一緒にいて楽しくても、間違った相手とはうまくいかない。
それだけです。サマーはそのことに気づいてしまった。

二人が思い出の場所で語り合う、最後のシーンはちょっと残酷で、切ないけれど素敵です。
夏が終わっていくのを感じました。

最後に劇中の音楽について。
もともと好きなバンドがたくさん使われているらしいと聞き、気になっていた映画です。
スミスの他にもピクシーズ、ホール&オーツ、スペアミントの名前なんかも出てきます。
トムはデートのときにジョイ・ディヴィジョンや、クラッシュのロンドン・コーリングのTシャツなんかを着ていて、それはどうかと思いました(笑)
(ズーイーちゃんは、Death Cab For Cutieのボーカルと最近結婚したらしいです)

長々と書いてしまいましたが、まあそれだけ好きだったということです(笑)
断言します。スミスが好きなら見ておいて損はない映画です。
なぜならトムはまさしく「The Boy With The Thorn In His Side(心に茨を持つ少年)」ですから!


「(500)日のサマー」
(2009年・アメリカ)


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